子育てあれこれ

出産・育児・ぼやき

第一子の出産を振り返る 弛緩出血編

一般的には出産を終えて、胎盤が外に出ると、子宮が収縮して、胎盤がはがれた部分から出ている血を止めてくれる。
が、何らかの理由で、子宮がゴムみたいに伸びきってしまうと、大量出血に繋がってしまう。
これが弛緩出血。

原因は、子宮の筋肉が疲れてしまっていたり、赤ちゃんが大きすぎたり、母体体重が増えすぎたり……ということが考えられるらしい。

普通の分娩なら、コップ1杯くらい(200~300CC)の出血なのが、わたしは最終的に測れただけでも5リットル以上出血していた。
1リットル以上の出血で、輸血が検討されるので、わたし結局何単位輸血をしたのかな……全身の血が入れ替わった感じ。
輸血をしてくださった方々に恩返ししたいけど、一度輸血をすると、一生血を提供することは出来ないんだよね。残念。。




無事に出産出来て一安心、と思っていたところに襲う、なんともいえない不快感。
どうやら、出産時の出血量が尋常ではなく、貧血のために気持ち悪かったようだ。

駆け付けた院長や助産師たちが代わる代わる必死にお腹を押したり、アイスノンを当てたりして、子宮復古を促そうとするけど、全く出血が止まるような気配はなく。
自分でも、どんどん体内から血が失われていく感覚があった。
ヘルプのドクターもやって来て、院長と二人がかりでお腹を押してくれていたけど、もう、打つ手無しって感じ。

麻酔も切れ掛かっていて、お腹を押される度にかなり痛みがあったし、気持ち悪いし、流れ出ていく血とともに、意識も途絶えてしまいそうだった。

結局そのまま2時間ほど、分娩室で(スタッフが)粘ってたかな。
医療の同意書って、基本的に本人が書かないといけないらしく、輸血の同意書を震える手で書いた。
旦那が書いてくれてもいいのに、と思いつつ。

一向に出血が止まらず、最終的には、大学病院に搬送されることになった。
助産師さんたちが、搬送前にラインを確保しようとしたけれど、もう血管が取れる状態ではなくて、辛うじて、鼠径部と手首を取ったけど、もう麻酔も切れていたから、凄く痛かった。
助産師さんたちも必死だった。
ごめんね、痛いよね、ごめんねって、何回も謝りながら、何回も刺された。。
ほんと痛かった。

けど、下手すると本当に死ぬなと思ったから、無駄に緊張したり、騒いだり、慌てず、最低限の呼吸をするのに必死だった。
死にそうになったときは、パニックになってはいけません。これ豆知識な。

救急車が呼ばれたあと、ケアを終えた赤ちゃんが枕元に運ばれてきて、 旦那と、三人で一緒に写真を撮った。
産まれたばかりの息子は、早速力無く泣き始めて、スタッフが「ママだって、もう分かってるんだね」って言ってくれた。
分かってくれてたらいいな。
身体が小さいせいか、小さな声で、ふにゃふにゃ泣いていた。


旦那は、自家用車で先に大学病院へ向かい、院長と、わたしで救急車に乗ることになった。


余談ですが、

私が分娩室で上記のような救命処置を受けている間、隣の分娩室からは、別の出産中の方の雄叫びが物凄い爆音で響いてきて、
あんなに、叫べるなんて、まだ余裕だな……と思った……。
殺してくれー
とか
死ぬ、死ぬ、死ぬぅーーとか、
内容も去ることながら、音量がすさまじくて。

叫びたいくらいなのはこっちの方なのだけど、叫んだら多分本当に事切れるだろうなって感じだった。

で、息子のケアを受けているビデオ映像に、その、叫び声がバッチリ収録されていて、
最後の家族写真になりそうだった写真と共に、
この二つの記録はなかなか見返す気になれないのです。
もう何年か経てば、きっと昇華出来ると思うんだけど。