子育てあれこれ

出産・育児・ぼやき

最後の夜に思うこと

明日、ヘモグロビンの値が上がっていれば、退院出来ることになった。

約5年前の出産直後、産まれたての息子と別れて、現在入院している大学病院のMFICUへ救急搬送された。
昨年は、心拍確認後の流産で、同じ病院の婦人科に入院。
そして、また第二子の出産のために、念願の母子病棟に戻ってくることが出来た。
排卵障害(PCOS)があると言われたこともあるし、既にアラフォーの域にいる自分にとっては、奇跡的なこと。

今回の帝王切開で、子宮筋腫が出来ていることが明らかになったので、もしかしたら、引き続き主治医や婦人科にお世話になることは、あるかもしれない。

でも、MFICUや母子病棟に入院することは、今生では二度と無いだろう。
もし、今回こそ安産で、経膣分娩だったら、或いは第三子も望めたかもしれないけれど……。
あの、電気メスで肉が焼かれる臭いや、身を切られた痛みを、もう一度経験出来るかというと……正直無理。
年齢的にも、母子ともに健康で出産するのは、厳しいだろう。染色体検査や、VBACに挑戦する勇気も持ち合わせていない。

母子救命を至上とするこの病院には、豪華な食事や、エステ、アメニティなんかは、勿論一切ない。(食事は不味くないです。むしろ、普通の病院より美味しいかもしれない位。おやつもたまに手作りだし。基本的には質素だけれど)
個室だって、希望しても、入れるかどうか分からない。本当に、必要最低限のケアしか受けられない。

けれど、わたしにとっては、二人の子供、そして自分と、三つの命を救ってもらった、かけがえのない思い出の場所。

明日、退院しても、この病棟で感じた想いや、流した涙を忘れることはないだろう。

手術室で、「いつも何度でも」のオルゴールをBGMに、
血まみれで、でも元気な産声をあげた娘。
先生に取り上げられ、母に顔を見せてくれた瞬間、本当に「おぎゃあ」って言ったね。
ケアを受けている隣室でも、ずっと泣いていて、わたしを、安心させてくれたこと。

麻酔科の若い女医さんが、術中、何度も声を掛けて落ち着かせてくれたこと。
とめどなく溢れて仕方ない涙を、タオルで優しく拭ってくれたこと。

可愛くて若い助産師さんが、綺麗にして産着にくるんだ娘を、わたしの裸の胸に載せて、初めてのおっぱいを吸わせてくれたこと。
バースプランに書いた通り、胎盤や、三層からなる羊膜、娘と繋がっていた証のへその緒を、しっかり見せてくれたこと。

5年前にわたしを助けた主治医が、娘を取り出してくれたこと。
先生の判断でなければ、帝王切開を納得するのは難しかった。「第二子って望めるのでしょうか」と訊いたとき、「なんで?」って笑ってた。
それを見て、次の妊娠を希望しても良いんだって思えたから、今があること。

手術後6時間後に、新生児室で初めて抱いた娘の温かさ。
真っ白な産着ごしに感じる、柔らかな皮膚の感覚や、甘いあまーい、ミルクのにおい。漆黒の髪の、艶々な手触り。
世界中の誰よりもいとおしくて、何より誰より幸せになって欲しいと、心から願った。


これからも、ずーっと忘れない。




……今日は連休明けのせいか、分娩や急患が多かったみたい。それでもだいぶベッド空いてるけど。。昨晩はなんと新生児室がクローズしてたし。看護師さんも、先週は16人新生児室にいたけど、今週はかなり少ないと言っていた。

で、モニター(SAT)のアラーム音がさっきから凄い頻回に鳴っている。。隣の個室からかなぁ?
こんなに鳴ってて、酸素量上げないのかな。。MFICUに移らないのかな。。